Pantera
パンテラ (Pantera) は、1981年にアメリカ合衆国テキサス州ダラスで結成されたヘヴィメタルバンドである。
初期においては比較的オーソドックスなHMバンドであったが、アンセルモ加入後、新たな音楽性を模索。1990年代に入り、独特の重さと激しさを持つサウンドを確立した。同時期に流行したグランジオルタナティブ・ロックムーブメントと連動する形で、90年代のHM/HRシーンに計り知れない影響を与えた。
『PANTERA』という言葉自体はラテン語、イタリア語、ポーランド語、スペイン語、ポルトガル語などでヒョウを意味するものであるが、バンド名『PANTERA』は彼らの出身地であるテキサス州パンテゴ (PANTEGO) に由来する。
1990年代以降のパンテラの特徴として、ギターとバスドラムの音が挙げられる。基本的にはエクソダス等のスラッシュ・メタルの影響下にあるものだが、さらに極端に過激でありながら聴き心地の良い音を出している。従来スラッシュ・メタルのギターサウンドではハイゲインのチューブ(真空管)ギターアンプ(マーシャル JCM-800、メサ・ブギー Mark-ⅳ等)が一般的であったが、パンテラはソリッドステート(トランジスタ)アンプのランドールRG-100を使い、それまでのスラッシュ・メタルよりも切っ先鋭いギターリフを刻んでいた。またファーマンのパラメトリックイコライザーも重要な役割を担っており、400~500Hzが持ち上がった(逆に1kHz付近は若干カット)中低域の太いギターサウンドでもあった。
『鉄板の上でゴム鞠をついた様な』とも形容されることがあるバスドラムは、手数の多い楽曲でも演奏が判別出来るようにアタック音が極端に強調された音で、さらにドラムトリガーを使用することにより50Hz付近の超低音域を補正、ギターサウンドに負けない強力な存在感のある音になっている。
なおこれらの音はサウンドガーデンやデフトーンズとの仕事でも知られるプロデューサーのテリー・デイトと協力して作り上げた。
1981年、ダレル・アボット(本名はダレル・ランス・アボット、後にダイアモンド・ダレル、ダイムバッグ・ダレルと名乗る) (G) 、ヴィニー・アボット(本名はヴィニー・ポール・アボット)(Dr) 、トミー・ブラッドフォード (B) 、テリー・グレイズ(後にテレンス・リーと名乗る) (G) 、ドニー・ハート (Vo) の5人で結成。当時はキッスやヴァン・ヘイレンなどのカバーが中心だった。
1982年、ドニー・ハートが脱退しテリー・グレイズがボーカルに転向。しばらくしてトミー・ブラッドフォードが脱退し、レックス・ロッカー(後にレックス・ブラウンと名乗る) (B) が加入。ドッケンやクワイエット・ライオットなどのサポートを務め、各地で人気を博していく。
1983年、自主レーベル「メタル・マジック」より1stアルバム『メタル・マジック - METAL MAGIC - 』をリリース。
1984年、2ndアルバム『プロジェクツ・イン・ザ・ジャングル - PROJECTS IN THE JUNGLE - 』をリリース。テリー・グレイズがテレンス・リーと名乗り始める。
1985年に3rdアルバム『アイ・アム・ザ・ナイト - I AM THE NIGHT - 』をリリース。
1986年、音楽の方向性の違いから、テレンス・リーが脱退。
1987年、幾度かのメンバーチェンジを経てフィル・アンセルモ (Vo) が加入、新たなサウンドを模索し始める。
1988年に『パワー・メタル - POWER METAL - 』を発表する。
1988年 、アトランティック・レコード系列のアトコと契約する。
1990年、メジャーデビューアルバム『カウボーイズ・フロム・ヘル - COWBOYS FROM HELL - 』をリリース、エクソダス、スイサイダル・テンデンシーズとともにツアーを行う。
1991年、スキッド・ロウの前座を務めたり、ジューダス・プリーストのヨーロッパツアーに同行するなどにより各地で知名度を上げる。
1992年に『俗悪 - VULGAR DISPLAY OF POWER - 』を発表、全米チャート44位をマークする。
1994年に『脳殺 - FAR BEYOND DRIVEN - 』を発表、全米チャート1位を獲得する。
1995年、グラミー賞の『ベスト・メタル・パフォーマンス』部門にノミネートされる。
アンセルモが酒とドラッグにのめり込むようになり、同時に、自身のサイドプロジェクト「ダウン」や「スーパージョイント・リチュアル」に時間を費やすようになったことから、アンセルモとバンドメンバーが次第に距離を置くようになる。
1996年に『鎌首 - THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL - 』をリリース。
7月13日、アンセルモがヘロインの過剰服用により心停止、何とか一命を取り留めるも、バンドメンバーとの溝が更に深まる。
1997年に『ライヴ~狂獣 - OFFICIAL LIVE 101 PROOF - 』を発表する。
2000年、『激鉄 - REINVENTING THE STEEL - 』をリリース。
2001年、日本のヘヴィロック・フェスティバル「Beast Feast 2001」にスレイヤーとのダブル・ヘッドライナーとして出演する。
2003年、アンセルモがサイドプロジェクトでの活動を主にするようになったことから、他メンバーとの溝が一層深まり、解散。
メタル・マジック - METAL MAGIC (1983)
プロジェクツ・イン・ザ・ジャングル - PROJECTS IN THE JUNGLE (1984)
アイ・アム・ザ・ナイト - I AM THE NIGHT (1985)
パワー・メタル - POWER METAL (1988)
カウボーイズ・フロム・ヘル - COWBOYS FROM HELL (1990) プラチナム獲得(US)
俗悪 - VULGAR DISPLAY OF POWER (1992) 44位 2xプラチナム獲得(US)
脳殺 - FAR BEYOND DRIVEN (1994) 1位 プラチナム獲得(US)
鎌首 - THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL (1996) 4位 プラチナム獲得(US)
激鉄 - REINVENTING THE STEEL (2000) 4位 ゴールド獲得(US)


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